紫外線で目の病気? サングラスは色の薄い物を選ぶのがベター
紫外線で目の病気? サングラスって良くないの?
「寒い寒い」と言っていたかと思えば、今度は「暑い暑い」と言っていませんか?
太陽がサンサンと照り付けて、紫外線が気になる季節がやって来ました。
紫外線によるシミやそばかす等のお肌のトラブルを避けるために、お肌の紫外線対策は多くの人が行っていることでしょう。
しかし、紫外線は、お肌だけではなく目にも影響を及ぼします。
年を取ると誰もが白内障になります。おばあちゃんが白内障の手術を受けた、母が白内障で手術をした、と言う人もおられるのではないでしょうか。
60歳代で60~70%の人が、70歳代で80%、80歳以上だと95%以上の人が白内障になるのです。50歳代でも約50%と言われているので、まだまだ若いからと油断はできませんね。
白内障は、90%以上が老化が原因です。いわゆる酸化ですが、この酸化には紫外線も大きく関わっています。
黒いサングラスは、NGです
紫外線対策にサングラスを使っている人も多いでしょう。
しかし、サングラスで100%紫外線を遮ることは、残念ながら不可能です。
なぜなら、一般的なサングラスって、上の部分や横の部分に隙間がありますよね。その隙間から太陽の光は入ってきます。
スキーのゴーグルの場合は、上部にも横にも隙間はありませんから、紫外線を遮ることは可能です。スキーの雪山は太陽の反射率が強いです。新雪では約80%も紫外線が反射するのですよ。だからスキーのゴーグルは隙間がないのでしょう。
「せっかくのイケメンがゴーグルなどしていては台無しだ」などとゴーグルをつけないで滑っていると、スキーから帰ってきたら紫外線角膜炎(雪目とも言います)になってしまった、などと言うこともあるようです。顔がスキー焼けする様に目も紫外線にやられてしまうのです。
スキーには行かない人も、夏はサングラスをする人が多いと思います。黒のサングラスをしている人を街中でよく見かけますが、実は紫外線対策でサングラスを使用するのであれば、黒のサングラスはNGです。
高校の生物の時間に目の事をしっかりと勉強した人は覚えていると思いますが、瞳孔は暗い所では開いて明るい所では縮みます。
暗い色のサングラスをかけると、瞳孔が開いてしまいます。すると、サングラスの隙間から入った光がダイレクトに開いた瞳孔に入り込むことになってしまうのです。紫外線対策のサングラスは、色の薄い物を選ぶのがベターなんです。
紫外線にも良い所はある
このように何かと嫌われ者の紫外線ですが、悪い事ばかりではないのですよ。
徹底的に紫外線を避けようと、帽子をしてサングラスをつけて、真夏でも長袖で手袋をしてと、全身を覆い隠している人がいますが、これも少々やり過ぎという感じで考え物です。
日光過敏症などがある人は医師と相談のうえで、紫外線対策をして欲しいのですが、健康な人の場合は手の平くらいは出しておくのがベターです。また、真夏は熱中症を招きかねません。
紫外線は、ビタミンDを作るという大切な役割を担っています。
ビタミンDは、血液中のカルシウムやリンの吸収を助けるので、骨粗鬆症の予防には欠かせない栄養成分です。閉経後の女性は一気に骨密度が低下するので、ビタミンDが不足しないようにしたいものです。
ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で合成されるので、いくらビタミンDの多い物を食べてもカルシウムを摂っても、太陽の光に当たらないと意味がありません。
そして、紫外線にはメラトニンやセロトニンを作る働きもあります。
日中に紫外線に当たることでセロトニンを作ります。このセロトニンを材料にメラトニンが出来るのですが、メラトニンはご存知の通り、不足すると不眠症を招くホルモンで、快眠には欠かせないものです。
そしてセロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれていて、うつ病を予防するホルモンなんですよ。
また、紫外線には殺菌効果もあります。
お天気のいい日は気持ちも晴々とする傾向があるのは、紫外線が幸せホルモンを作っているからでしょう。夏は木陰を散歩すると、木漏れ日が適度に差し込んできます。日光過敏症などがない人は、徹底的に紫外線を避けるのではなく、紫外線と上手に付き合っていきましょう。日光過敏症がある人や全身性エリテマトーデス(SLE)等で紫外線を避けた方が良い人は、紫外線対策については主治医とよく相談しましょう。
<まとめ>
✅ お肌の紫外線対策は多くの人が行っていると思いますが、紫外線は目にも影響します。
✅ 白内障は、高齢になると誰もがなる目の病気です。
✅ 白内障の原因には、紫外線も大きく関係しています。
✅ 紫外線対策のサングラスは黒はNGです。瞳孔が開いて余計にサングラスの隙間から目の中に紫外線が入り込みます。
✅ 紫外線のメリットその1:ビタミンDを作って骨粗鬆症を予防する。
✅ 紫外線のメリットその2:メラトニンやセロトニンというホルモンを作って、不眠症やうつ病を予防する。セロトニンは別名幸せホルモンです。
✅ 紫外線のメリットその3:殺菌効果
✅ 徹底的に紫外線を避けるのではなく、夏でも木陰を散歩するとか手の平くらいは布で覆わないなどがベターです。